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天藍

Author:天藍
本や映画や舞台の感想など書いてます(たまにね)。うーん、偏ってますかね方向性。お薦めなどあったら教えてくださると嬉しいです。

ソラノアオ。の…
60%は童子についてで出来ています
25%は夢の宇宙誌で出来ています
8%は太陽王と月の王で出来ています
4%は思考の紋章学で出来ています
3%は黒魔術の手帖で出来ています
(「ドラコニア解析」より)

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ソラノアオ。
本、映画、舞台の感想と日記など。かなり偏っていると思いますが同好の士求む。
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「あわれ彼女は娼婦」感想
「あわれ彼女は娼婦」見てきました!
感想書くスピード、私にしちゃあ異例の速さです(笑)
(加筆訂正しました・8/17)

あわれ彼女は娼婦 蜷川幸雄・三上博史・深津絵里、2006・8 @シアターBRAVA!

初・三上博史!
三上版「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が関東でしかやってない(違ったっけ)&即SOLDOUTのため断念したのすげえ悔しかったんすよ。

<内容>中世パルマ。実の妹アナベラを愛してしまった青年ジョバンニ。罪だ破戒だ地獄に堕ちると修道士ボナベンチュラに諭されるもお互いに気持ちを告白し、愛し合うようになってしまう。幸せな時は長く続かず、アナベラの妊娠が発覚し…。

お兄様~~~~~(T△T)~~~~~~!!!

(以下思いきりネタバレ)
○役者さんたち。
いやもうこの舞台、三上さんの独擅場でしょう!
同じ胎内から生まれ出たからこそ愛する運命であり、自らの理想そのものであって崇拝すべき神なのだと高潔な修道士相手に(!)のっけから一席ぶってしまう怜悧な青年ジョバンニが三上さんに降りてきてますこれ。
妹を愛し続ける彼は「常識」と相容れない、それゆえ「狂気」となってしまう純粋さ。
彼は「愛する人を守る」とか言わないんですよね。ただ妹を愛してる、全身全霊自分のものにしたい、それだけで。
しかし三上さんって凄いー。登場しただけで目が行く。ずーっときっちりピンスポットライトが当たってる所為もありますが(これがまたブレないんだ、凄いんだ)。登場時から物凄く台詞が聞き取りやすいし動きも綺麗。(それに比べ、冒頭の修道士の台詞、殆ど聞き取れなかったんすよ)
衣装は何だか良く判らなかったんですけどね(汗)ちょっとハムレットっぽくないか?

深津さんのアナベラは一本根性が座った聖女って感じ。。
罪悪感も改悛も偽りの花嫁姿も、兄を尊敬し崇拝し「愛する」(パンフにも書いてたけど、これって確かに性愛というよりキリスト教の神への愛に近いよね)ため。そして彼からもそうされることを望んで、身からも心からも鮮血を噴き出す聖女。
でも舞台にいたのは「アナベラ」じゃない、良くも悪くも「深津絵里」だ、という菊花さんの感想には納得。。
野田モノに出ていたときは今回ほど「地」な印象じゃなかったと思うけども…。深津さんって自分を役に近づけて演じるタイプの役者さんなんじゃないかなあと少し思ったのですが、役憑依型の三上さんが相手だったから余計にそれが目立ったんじゃないかなあ。

主役二人が最初に思いを通じ合う場面、なんてキレイなキスシーンなんだろうと思ったですよ。
兄が妹に死を与えるまで、二人の掛け合いは、どこまでも優しい。

求婚者ソランゾ・谷原さん。なんだかうすっぺらーい感じでヨイですねえ。
登場シーン、矢鱈と軽薄そう…というか中身のなさそうな人物に見えたんですよね。
それにしても顔小さいー、かっこいい人オーラ出まくり。

ドロドロ話中の一服の清涼剤・高橋さんのバーゲット。
彼のおかげで救われる。かわいいじゃないですか。ナイス主従賞。


○キリスト教的背景について勝手に推測。
アナベラは神が居坐すべき座に兄を据えてしまった。こういう激しさが当時のキリスト教的常識には合致しないものだったから淫売だ娼婦だと言われることになったのでしょうね(パンフより)。
「娼婦」という罵倒語は、実際の性的放縦というよりも一神教的男性原理に従わない女に向けた最大級の貶めなわけですね…。

しかし…妹をヤっちゃった上に殺人・死体損壊・関係ない人まで巻き込み殺人しちゃったジョバンニよりも、神を畏れながらも兄を愛して身籠って夫に相対したアナベラのほうが糾弾される、というのは、判らん、そんなに「娼婦」たることは罪なのか。

「あなたの姉妹、すなわちあなたの父の娘にせよ、母の娘にせよ、家に生れたのと、よそに生れたのとを問わず、これを犯してはならない(レビ記18.9)」

単純に言えば、この神の言葉が向けられているのはアナベラよりジョバンニのほうだろうに(聖書は成人男子向け書物です)。
罪を犯す原因となる女のほうが罪悪そのもの、弱い醜い魂を持つってことか。
故に、彼女がラストで「娼婦」だと宣言される際、「汚らわしい」じゃなくて「あわれ」と形容されるんでしょうかね。
その台詞を言うのが枢機卿ってのもこれがまた(怒)


○演出・効果について。
演出テーマは「赤い紐」と「窓」でしょう!懺悔のシーンだけ前面に出てくる(けど、ずっとそこにある)赤い縦線は、所謂赤い糸なんて甘ったるいものじゃない。私は「檻」だと思った。(或いは「紐帯」とか「血の雨」のたとえでもあるのかしら)
「鉄鼠の檻」じゃないけど、「常識」とか「戒律」といった檻の上に兄妹の結界を作り、そして自らそれを破壊することで二人の恋愛は昇華した、ような。(なんだか上手くいえないぞ)
「檻」だと思ったのがもうひとつ。二階席だったんですが、そこから見ると最後の宴会乱入前のジョバンニのシーンの照明がまた!
細く降り注ぐ無数の光の筋、あれも「檻」の中で悶えているように見えてしまった。

照明といえば。全編通してスポットライトその他の光の筋が見えるんですね。綺麗。
スポットといえばラストのジョバンニのスポットだけ色と質感が違ったように見えましたが気のせいか?
「室内」のシーンに切り替わるときに窓から光が差してカーテンが揺れるんですが、向こう側から当ててる光の量も半端じゃないわあれは。ついでに言えばどうやってカーテンに風当ててたのか。カーテンのゆれ方、統一感があってきれいだったので気になって。
このシーンに切り替わるたびに、舞台上に光と影の文様ができてすごく綺麗なんすよ。
先述した「檻の光」も舞台上に夜空のような石畳のような模様ができてて。どっかの窓に誰か出てくるたびに舞台に落ちる人影が効果を生む。多分舞台上の光の模様まで計算に入れて照明作ってはるのでは。
光の演出効果を舞台全体堪能できて、二階席でよかったと思った。
いや、勿論一階席のほうが役者さんの芝居は良く見えるし窓から差し込む光も凄く神々しく美しいだろうと思いますが。


思いつくままに殴り書きしてしまったので綺麗にまとまってない感想ですがこの辺で。
いやあ、夢見心地でした。三上さーん!!
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テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

この記事に対するコメント

Blogコメントいただきまして有難うございましたm(__)m
私もヘドウィグ見に行きたかったのに、見れなかった
あわれな女です。
本当に、三上さん素晴らしかったです!
あんなに真剣に何回もカーテンコール拍手したのは
久しぶりです。蜷川さんが三上さんをキャスティングした
理由が芝居に全て描かれていました。
身も心も丸投げでアナベラという女性を愛する
ジョヴァンニの恍惚な表情にノックアウトです。
そして、シンプルな舞台なのに、多面体に見える
照明や小道具の使い方は、さすが!でしたね。
もう一度見たい!と心の底から思った舞台でした。

また、こちらのBlog覗かせていただきたいと思います♪
【2006/08/14 23:29】 URL | れーさん #wLPMY1Nw [ 編集]


はじめまして。当方のブログにコメント&TBありがとうございました。
私も「ヘドウィグ」見たかったのに見られなかったクチです…。

舞台上の「赤い紐」の解釈、良いですね! 檻ですか。赤い檻。ちょっと怖いけど世界観に合うなー。

また加筆される頃を見計らってお邪魔したいと思います。
【2006/08/15 02:10】 URL | ゆうみ #- [ 編集]


コメントありがとうございますー♪
求ム、ヘドウィグ再演!DVDとか出てるんですかねえ。。

>れーさん 様
ね。三上さん、ジョバンニが降臨してましたよね!
本物の火を含めた照明効果が凄くて、ほよよでした。。
どのあたりの席でご覧になったのでしょうか?
2階席から見てもすばらしく綺麗に見える、という点でも貴重な舞台だったなと思います。

>ゆうみ 様
あああ、まとまってない感想で申し訳ないです。。
あの赤い紐、まず目に入る背景ですよね。個人的ノックアウト賞でした(何)
蜷川モノは何回か見ているのですが、ちょっと初めてのパターンでした。。「身毒丸」か「近代能楽集」あたりの感想もアップしようと思ってますのでよろしければまた覗いてやってください(はあと)
【2006/08/15 20:00】 URL | 天藍 #- [ 編集]


こんにちは。
ウチのお気楽レポートにリンクして頂き、申し訳ないです。

>神が居坐すべき座に兄を据えてしまった。こういう激しさが当時のキリスト教的常識には合致しないものだったから淫売だ娼婦だと言われることになったのでしょうね(パンフより)。
>罪を犯す原因となる女のほうが罪悪そのもの、弱い醜い魂を持つってことか。

ああああ・・・そういうことですか。
またしても私のキリスト教関連知識皆無のせいで、
物語を理解できていなかったことが判明。がっくり。
この物語自体が、キリスト教への反旗を翻すものなの?
だから、枢機卿と修道士はあえて下手くそな演技&台詞なのか?

それにしても。キリスト教的倫理観(前提)をくつがえし、
狂気の行動すら論理的にて見せてしまう三上ジョバンニの凄さ。
三上で「ロミオ&ジュリエット」見てみたい。
【2006/08/15 22:09】 URL | 菊花 #sw/O2jfA [ 編集]


>菊花 様
パンフの解説でキリスト教関係の件は色々載ってましたが、やはりキリスト者でない私にはどうしても理解しきれないんだろうなあ…と思います。
枢機卿と修道士…は、役者さんの力量、じゃないですかねえやっぱり…
三上さんのロミオ!想像するだに垂涎ものですね。。
ほんとにとり憑かれたようなお姿に釘付けです。。
【2006/08/17 19:19】 URL | 天藍 #- [ 編集]


わー!この舞台見たんですかぁーっ!!
うらやましいっ!
私、主役の2人が好きで、この舞台見たかったんですよ!
主役2人と蜷川さんのタッグで、もんのすごいオーラを発してそうですね。
天藍さんの文章を読むだけでもそれを感じられて
ますますその世界をのぞきたくなります。
あーみたい~ジタバタ
【2006/08/20 23:03】 URL | shimamura #- [ 編集]


>shimamura 様
ほんとに偶々切符が手に入りまして。大変幸運でした(涙)
ね。DVDとか出ないですかねー。とにかく役者さんの力量だったと思います。。
宜しければ原作をお読みになってみてはいかがでしょう?
とても言葉にパワーがあるなあ…と思いながら読んでました(^ ^)
【2006/08/21 21:03】 URL | 天藍 #- [ 編集]


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